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のだめカンタービレ
クラシック作品辞典 第8巻

第8巻までの演奏者別もくじ

  1. シューマン:劇音楽「マンフレッド」序曲 op.115
  2. モーツァルト:オーボエ協奏曲 K.314(285d)
  3. ブラームス:交響曲第1番 op.68
  4. 野田恵:ピアノ・ソナタ「清掃」
  5. (のだめのマラドーナ・ピアノ・コンクール曲目リスト)
  6. シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番 op.42 D.845
  7. サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 op.33
  8. J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 第16番 BWV885
  9. ショパン:12の練習曲 op.10より第4曲
  10. リスト:超絶技巧練習曲より第5曲「鬼火」
  11. 海老原大作:ロンド・トッカータ
  12. ドビュッシー:喜びの島
  13. モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 K.310(300d)
  14. シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 op.22
  15. ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
  16. (フォーレ、メンデルスゾーンのピアノ曲)
  17. ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 op.35
  18. ラヴェル:「夜のガスパール」よりスカルボ

 シューマン:劇音楽「マンフレッド」序曲 op.115

[Lesson41] R☆Sオケ演奏会のオープニング曲

マンフレッドは、バイロンの同名の劇詩に基づいた、舞台音楽と演奏会音楽の中間的な作品です。現在では、序曲以外はほとんど演奏されません。その生涯、作風ともに、ロマン派の化身ともいうべき音楽家だったシューマンの、マンフレッドに対する深い精神的共感が見事に音化された素晴らしい作品です。

シューマン:交響曲全集&マンフレッド序曲

【演奏】ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)、ドレスデン国立管弦楽団
【曲目】(CD1)シューマン:交響曲第1番op.38「春」/同:交響曲第2番op.61 (CD2)シューマン:交響曲第3番op.97「ライン」/同:交響曲第4番op.120/同:マンフレッド序曲op.115

税込2,300円(2枚組)


 モーツァルト:オーボエ協奏曲 K.314(285d)

[Lesson41] R☆Sオーケストラ演奏会の協奏曲。ソリスト黒木

第7巻参照。

余談:黒木がステージに現れたとき、オーケストラのメンバーが足で床をドンドンと踏み鳴らしていましたが、あれは楽器を持って手がふさがっているオーケストラプレイヤーの、拍手の流儀です。弦楽器奏者の場合は、弓で譜面台をトントンと叩くこともあります。また、オーケストラの管楽器奏者には、曲の中で難しいソロを上手く吹ききったとき(例えばラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の1楽章の中間部、ホルンの長いソロなど)、周りのプレイヤーが足で床をスリスリとこすって賛辞を贈る習慣もあったりします。もちろん曲の最中なのでわからないようにこっそりやっていますが、ステージをよく見てると目撃することもある・・・かも?

モーツァルト、R.シュトラウス:オーボエ協奏曲

ホリガー/モーツァルト、R.シュトラウス:オーボエ協奏曲

【演奏】ハインツ・ホリガー(オーボエ)、エド・テ・ワールト(指揮)、ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
【曲目】モーツァルト:オーボエ協奏曲K.314/R.シュトラウス:オーボエ協奏曲

税込1,200円


 ブラームス:交響曲第1番 op.68

[Lesson41] R☆Sオケ演奏会のメイン曲

第7巻参照。

 

ブラームス:交響曲第1番&第2番&第3番&第4番

【演奏】ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
【曲目】(CD1)ブラームス:交響曲第1番/同:交響曲第2番 (CD2)ブラームス:交響曲第3番/同:交響曲第4番

税込2,500円(2枚組)


 野田恵:ピアノ・ソナタ「清掃」

[Lesson43] のだめが江藤先生家の合宿で弾いていた曲

第1巻参照。これでコンクールに出たらダメなんでしょうか。


 (のだめのマラドーナ・ピアノ・コンクール曲目リスト)

[Lesson43] のだめのマラドーナ・ピアノ・コンクール曲

<1次予選>

<2次予選>

<3次予選>

<本選>


 シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番 op.42 D.845

[Lesson43] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの1次予選曲

31歳でこの世を去ったシューベルトが、28歳の時に作った作品。次の第17番、第18番「幻想」と共に、シューベルトの生前に出版されたピアノソナタのうちのひとつです。ベートーヴェンとも関係のあったルドルフ大公に献呈されました。ちなみにD.845のDは「ドイチュ」と読み、ドイチュという人がシューベルトの全作品につけた通し番号です。輸入盤CDなどには「第○番」という表記がなく、ドイチュ番号しかついてないこともありますので、お買い物の際には要注意です。

(もうひとつの候補曲、ベートーヴェンは何だったんでしょうね)

 

シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番

【演奏】マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
【曲目】シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番D.845/シューマン:ピアノ・ソナタ第1番op.11

税込2,039円


 サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 op.33

[Lesson45] R☆Sオーケストラ再演ステージの協奏曲。ソリスト菊池

サン=サーンスは2曲のチェロ協奏曲を残しています。本文中には“Cello Concerto”としか書いてありませんが、R☆Sオーケストラで演奏されたのは、ほぼ間違いなく第1番でしょう。音楽家同士の会話でも「サン=サーンスのチェロコン」と言えば、普通は第1番のことを指します。第2番はめったに演奏されません。この時代の協奏曲は通常、3楽章形式を取ることが多いのですが、この曲は単一楽章で書かれています。チェロの楽器の特性が存分に発揮され、世界中のチェリストに愛奏されている、サン=サーンス円熟期の傑作です。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲

【演奏】ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ(チェロ)、カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
【曲目】ドヴォルザーク:チェロ協奏曲op.104/サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番op.33

税込1,300円


 J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻 第16番 BWV885

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの2次予選曲

「平均律」というは調律の方法の名前で、当時主流だった「純正律」にかわって開発された新しい調律法でした。「純正律」は自然の法則に従った純粋な響きになる半面、例えばハ長調用に調律された楽器は、他の調ではきれいな響きが得られず演奏できないという難点がありました。そこで、人間の耳に違和感がない程度に妥協をしつつ、全ての音が均一になるように調律されたのが「平均律」です。これによって、1台の楽器で全ての調の曲が演奏できるようになったのです(現在のピアノは平均律によって調律されています)。クラヴィーアというのはチェンバロやピアノなどの鍵盤楽器の総称で、現在では単にピアノの意味で使われます。

バッハはこの新しい調律法を歓迎し、全ての長調と短調で書かれた24曲からなるピアノ曲集を作りました。それがこの「平均律クラヴィーア曲集」です。それぞれの曲は「前奏曲(=プレリュード)」と「フーガ」という2つのパートで構成されています。第2巻はバッハ自身の旧作などを寄せ集めて、晩年にまとめられました。平均律クラヴィーア曲集は、音楽の旧約聖書と呼ばれることもある、音楽史上の大傑作です。


 ショパン:12の練習曲 op.10より第4曲

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの2次予選曲

ショパンの練習曲集はop.10とop.25の2つがありますが、そのどちらもピアニストには避けては通れない曲です。op.10には「別れの曲」「黒鍵」「革命」など、よく知られた曲が含まれています。それぞれの曲はある特定のテクニックのための練習曲になっていますが、単に技巧訓練の目的に留まらず、演奏会用練習曲としての美しさと豊かな音楽性を持っています。op.10の第4曲を本番の舞台で、高速で「燃えつき」状態で適当に弾いてしまえるのだめは、かなりスゴイのではないでしょうか。

ショパン:12の練習曲

ショパン:12の練習曲

【演奏】マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
【曲目】ショパン:12の練習曲op.10/同:12の練習曲op.25

税込1,890円


 リスト:超絶技巧練習曲より第5曲「鬼火」

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの2次予選曲

タイトルからしてわかる通り、音楽史上最高のバカテクピアニストだったリストによる、名技主義の典型的な所産ともいえる作品です。全12曲はハ長調から始まって、徐々にフラット(♭)が増える順に並べられ、華麗な技巧を駆使してます。最初の構想では、全部で24曲(48曲という説も)作る予定だったとも言われています(こんな恐ろしい曲が48曲もあったらイヤだ・・・)。

リスト:超絶技巧練習曲集

リスト:超絶技巧練習曲集

【演奏】小菅優(ピアノ)
【曲目】リスト:超絶技巧練習曲集

税込1,680円


 海老原大作:ロンド・トッカータ

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの2次予選曲

このコンクールのために委嘱された新曲でしょうか。江藤先生曰く「ええ人やで……」。「ええ曲やで」じゃないところが意味深?

【追加補足】なお、作曲家の大澤徹訓さんが、マンガに基づいて実際に「ロンド・トッカータ」を作曲されました。「のだめカンタービレ Selection CD Book」で聴くことができます。ただし、実際にコンクールの課題曲として使われたというよりも、イメージとして後から作曲されたという方が適切な表現だと思います。この曲の楽曲解説には「千秋」と「のだめ」をモチーフとした主題が登場するとあり、コンクールの課題曲を作る際に、いち参加者に過ぎない学生の名前を使った曲を書くとは思えないので・・・。

のだめカンタービレ CD Book

のだめカンタービレ Selection CD Book

【演奏】ブロムシュテット、R.シュトラウス、西本智実(指揮)、熊本マリ、舘野泉(ピアノ)他
【曲目】ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番「悲愴」より第2楽章/同:交響曲第7番より第1楽章/ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルーより/ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番より第1楽章/リスト:メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」より/モーツァルト:オーボエ協奏曲より第1楽章/ドビュッシー:喜びの島/ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ/R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」より/海老原大作:ロンド・トッカータ

税込1,600円


 ドビュッシー:喜びの島

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの3次予選曲

ドビュッシーは、旧来の音楽様式から抜け出し、印象主義と呼ばれる新しい音楽語法を確立して20世紀音楽の扉を開いた、音楽史上最も重要なキーパーソンのひとりです。「喜びの島」は、ワトーの名画「シテール島への船出」に着想を得たとされる曲で、愛の幻想が、高度な技巧と表現力、豊かな色彩感の中で官能的に描かれた傑作です。

余談:パトロンのナデジダ(=メック夫人)からもらった年金で別荘を買ったのは、チャイコフスキーです。


 モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番 K.310(300d)

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの本選曲

あらゆる編成のための多くの傑作をものにしたモーツァルトですが、もちろんピアノ曲も重要な分野でした。当時の鍵盤楽器は、チェンバロから現代のピアノの前身にあたる新しい楽器に生まれ変わった時期だったのですが、モーツァルトはその楽器のために密度の高い形式と表現を与え、次々に傑作が生まれました。このソナタはモーツァルトには珍しい短調の曲で、同じ頃に作曲されたヴァイオリンソナタ、K.304(ホ短調)と共に、母の死などとの関連があると言われ、心の苦悩が現れた作風になっています。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第8番〜11番

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲付」

【演奏】内田光子(ピアノ)
【曲目】モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番K.331「トルコ行進曲つき」/同:ピアノ・ソナタ第8番K.310/同:ピアノ・ソナタ第9番K.311/同:ピアノ・ソナタ第10番K.330

税込1,529円


 シューマン:ピアノ・ソナタ第2番 op.22

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの本選曲

シューマンのピアノ曲は、一般的には「クライスレリアーナ」や「子供の情景」といった表題音楽の方が有名です。ピアノソナタは3曲ありますが、その中ではこの第2番が比較的よく演奏されているようです。小規模ながら卓越した構成の曲です。いったん出版されたあと、3年後に第2版を出した際に、終楽章が今日の形のものに差し替えられました。

シューマン:ピアノ名曲集

リヒテル・イン・イタリー/シューマン:ピアノ名曲集

【演奏】スビャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
【曲目】シューマン:蝶々op.2/同:ピアノ・ソナタ第2番op.22/同:ウィーンの謝肉祭の道化op.26

税込1,700円


 ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、のだめの本選曲

ストラヴィンスキーは「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」のいわゆる「3大バレエ曲」によって音楽界にセンセーションを巻き起こした、20世紀の大作曲家です。特に「春の祭典」は、暴力的なリズムが支配する、原始主義と呼ばれる強烈な音楽で、シャンゼリゼ劇場での初演は、演奏中に激しい怒号(と賛辞)が飛び交う大スキャンダルになりました。「ペトルーシュカ」は、ペテルブルクの謝肉祭の人形芝居小屋で、踊り子の人形に恋をした人形のペトルーシュカが、ムーア人の人形に殺されるという内容のバレエです。作曲者自身によって、3つの楽章からなるピアノ曲に編曲されました。ストラヴィンスキーはピアノ曲をあまり書きませんでしたが、この曲は演奏効果も高く、好んで演奏されます。

ムソルグスキー:展覧会の絵

ムソルグスキー:展覧会の絵

【演奏】イェフィム・ブロンフマン(ピアノ)
【曲目】ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章/ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」/チャイコフスキー:ドゥムカop.59

税込1,680円


 (フォーレ、メンデルスゾーンのピアノ曲)

[Lesson45] マラドーナ・ピアノ・コンクール、坪井隆二の3次予選曲

コンクールでの使用頻度はわかりませんが、フォーレは「即興曲」「舟歌」「夜想曲」などが、メンデルスゾーンは「無言歌集」や「厳格な変奏曲」などがよく演奏されます。


 ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲 op.35

[Lesson46] マラドーナ・ピアノ・コンクール、瀬川悠人の3次予選曲

この曲の主題は、パガニーニが作曲した無伴奏ヴァイオリン曲「24のカプリス(奇想曲)op.1」の第24曲。このメロディはなぜか大人気で、シューマンやリストをはじめ、古今の大作曲家たちによって変奏曲の主題として好んで取り上げられています。もちろんパガニーニは沢山の曲を作っているのですが、今では「パガニーニの主題」=「24のカプリスの第24曲」というくらい有名になっています(ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」も同じテーマ)。ブラームスの作ったこの変奏曲は28の変奏からなっており、14曲ずつ第1集、第2集と分かれています。


 ラヴェル:「夜のガスパール」よりスカルボ

[Lesson46] マラドーナ・ピアノ・コンクール、瀬川悠人の3次予選曲

ラヴェルは、ドビュッシーと共に20世紀初頭のフランス音楽の黄金時代を作った代表的作曲家です。管弦楽曲とピアノ曲で多くの傑作を産み、特にその完璧なまでの職人的なオーケストレーションは、今日でも最高の手本とされています。「夜のガスパール」は、オンディーヌ(水の精)、絞首台、スカルボの3曲からなる曲で、幻想詩人ベルトランの同名の詩集を題材として書かれた難曲です。スカルボとは、夜中に部屋の中を歩きまわる小人妖怪です(あれ?うちの辞典では「妖怪」になってるな・・・)。

ラヴェル:ピアノ作品全集

【演奏】モニク・アース(ピアノ)
【曲目】(CD1)ラヴェル:鏡/同:水の戯れ/同:亡き王女のためのパヴァーヌ/同:古風なメヌエット/同:前奏曲/同:シャブリエ風に/同:ボロディン風に/同:ハイドンの名によるメヌエット/同:マ・メール・ロワ (CD2)ラヴェル:
クープランの墓/同:夜のガスパール/同:ソナチネ/同:高雅にして感傷的なワルツ

税込1,995円(2枚組)


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